この逸品

  • 100年の歴史を持つ料理店の五代目・清本健次さんは、風土や伝統に自身の感性を融合させて料理を創り出す。そのひとつが近江牛の握り寿司。炭火で炙った肉の上には鮒寿司の飯(いい)が。「近江牛の旨みに発酵の風味が合うんです」と清本さん。
    食べれば瞭然。普通の牛肉寿司とは別次元の美味が口中で開花する。まさに滋賀ならではの一品だ。

  • 瀬田唐橋のたもとに全国のグルメを唸らせる名店あり。大正時代に建てられた蔵を改装した店でいただけるのは炭火焼き。狩猟免許を持つ西澤芽久美さんお薦めのジビエや本モロコなどの湖魚が主役だが、予約時のリクエストで、熟成肉の名店『サカエヤ』から届く近江牛も。噛むほどに旨み濃くなるカイノミは、鮒ずしの飯(いい)と大葉のペーストで。
  • 東近江で100年以上にわたり実直に牛を育てる『福永喜三郎商店』(通称「マルキ」)発の店では、ステーキはもちろん趣向を凝らした近江牛のコースがいただける。近江牛の薬草スープやハンバーグが出色。主の福永義規さんは「肉の味が調味料に負けない」と、味付けは塩のみと極シンプルに。近江牛の滋味を、趣向を凝らした一品で感じることができる貴重な一軒。
  • 住宅街にひっそり、夫婦が営む小さな隠れ家では、近江牛の中でも健康的な肥育に強いこだわりをもつ「木下牛」が味わえる。「繊細で力強い味わいから、丁寧に育てているのが分かる」と、トスカーナや京都の名店で腕を磨いたシェフの藤﨑 努さん。ある日のサーロインは軽めの赤ワインソースで美しい脂を際立たせ、味わい深い一皿に。
  • 近江八幡駅前で、地元の人に愛されてまもなく80年。畳にテーブルを備えた客席では、すき焼きや名物・つゆしゃぶ、ステーキのほか、会席料理が楽しめる。近江牛を使った治部煮は柚子香るクリアな合わせだしに近江牛の脂が溶け出したまろやかな一品。サーロインを贅沢に使ったにぎり寿司などの名物を、心地の良い空間で心ゆくまで堪能したい。
  • 近江米をおくどさんで炊き上げる土鍋ご飯と、地元の川魚やジビエなどの料理が楽しめる界隈屈指の名店。コースのほか一品も豊富で、二代目の名越 亮さん考案のミスジのあんかけは「脂が強い部位なので炭火で焼いてあっさりと。カツオだしに白ネギ、塩漬けの生コショウでアクセントにしました」。美しいキレ味で、肉の輪郭がくっきりと。